11月12日、「第53回三井ゴールデン・グラブ賞」の受賞者が発表されました。カープからは遊撃手部門で矢野、外野手部門で秋山が選出されました。
矢野は、2位長岡の67票に大差をつける218票での1位。秋山も外野手1位となる211票での受賞となりました。これは素晴らしいことですし、秋山は相当喜んでいるようで、おめでとう!と言いたい。
しかし、去年もそうでしたが、記者投票の結果にやっぱり違和感を感じます。去年は優勝した阪神から5名が選ばれ、今年は優勝した巨人から4名が選ばれました。守備以外の活躍の印象で票数が大きく変化しているように見えます。
二塁手は吉川が232票で1位となり、2位菊地は47票と大差がつきました。吉川の初受賞にケチをつけるつもりはなく、受賞するにふさわしい選手だと思っていますが、去年110票で受賞した中野が今年は3票で5位という結果に違和感。中野って1年でそんなに守備力が低下したのでしょうか。
2023年は中野が110票、菊池が107票、吉川が70票という結果でしたが、2024年には中野が3票、菊池が47票、吉川が232票に。守備に関する数値はどうだったのでしょうか。
●2023の守備に関する数値(守備率 試合 刺殺 捕殺 失策 併殺)
1、菊池 涼介 (広) .995 116 234 313 3 68
2、吉川 尚輝 (巨) .992 125 254 357 5 71
3、中野 拓夢 (神) .988 143 303 467 9 102
●2024の守備に関する数値(守備率 試合 刺殺 捕殺 失策 併殺)
1、吉川 尚輝 (巨) .994 143 331 485 5 94
2、田中 幹也 (中) .991 103 206 258 4 49
3、中野 拓夢 (神) .990 143 342 460 8 84
4、山田 哲人 (ヤ) .989 102 201 264 5 58
5、菊池 涼介 (広) .989 135 257 362 7 67
吉川は全ての数字がUPしているので、票数が増えるのは納得いきます。菊池は失策が増えて守備率が落ちた代わりに試合数、刺殺・捕殺数とも増やしています。そして中野は、守備率が若干良くなり、刺殺数は大幅増、捕殺数と併殺数はちょっと下がっていますが、数字だけ見るとそんなに去年から悪くなったようには見えません。UZRとかはよく分かりませんが。
吉川も中野もカープ戦以外はあまり見ていないので去年と今年の違いが正直分かりませんが、吉川は去年からうまかったし、中野も去年からそんなに落ちているようには思えませんでした。
そしてショートも去年157票で受賞した木浪が今年は3票。今年は試合数が12試合減ったものの守備率は若干上がっており、なぜここまで下がるのか。矢野の輝きの前にかすんでしまったのか・・。
どうも優勝バイアスというか、印象バイアスがかかっているように感じて仕方ありません。そもそも投票を行っている記者によってどれだけ守備を見ているかも判断基準もバラバラなのであれば、今の記者投票のやり方は改善の余地があるのかもしれません。
カープ戦の公式戦全試合を見た私が一つだけ言えることは、菊池の守備に救われたことは幾度となくあり、その守備を見るだけでお金を出す価値があると思わせる、すごいプレーや素晴らしいプレーを今年もたくさん見せてくれました。私の中での二塁手ゴールデングラブは今年も菊地だということです。
そして12球団合同トライアウトが11月14日、ZOZOマリンスタジアムで行われました。今年は45人が参加、フジテレビONEで放送されていました。
カープからは、投手は岡田、内間、藤井、新家、行木、野手は曽根が参加しました。行木だけは去年、他の5人は今年戦力外になった選手です。
岡田は149kmの外角ストレートで陽岱鋼を三振に取るなど、二人の打者を抑えました。全球ストレートで勝負、まだまだやれそうなピッチングに見えました。
内間は1安打1四球と結果としては良くはありませんでしたが、投げている球は悪くなかったと思います。
藤井は四球と外野フライでしたが、カウントを取るフォークと決めに行くフォークを投げ分けるなど、しっかり投げていたと思います。
新家は、上からストレートや落ちる球を投げているかと思ったら、急にサイドからスライダーを投げたりと面白い左腕だと思いました。セカンドフライ、レフトフライと二人をしっかり抑え、まだ若いし楽しみな存在でもったいないなと思いました。
行木は、もっと分かりやすい特徴があればいいのになとは思いましたが、しっかり投げ込んで四球とファールフライに抑えました。
曽根は、いい当たりのファーストライナーや右中間を破る3ベースヒットを打つなど打撃面でもアピールしましたが、3ベースのときの足の速さや軽快な守備でもやれるというところを見せていたと思います。
実績からいくとやはり岡田と曽根は思い入れもあるし、十分戦力になると思うので、まだまだ頑張ってほしい。そして新家はなかなか面白い存在になれそうに見えました。
カープ以外の選手はあまり見ていませんが、日本ハムや巨人で活躍した陽岱鋼や、ヤクルトで活躍した西田なども参加して存在感を見せていました。どの選手も別のチームに行くのか、野球を続けるのかも正直分かりませんが、これまでの努力や経験は絶対無駄にはならないので、幸あってほしいです。合同トライアウトは今年で最後かもしれないということですが、今後どうなるのでしょうか。
最後に、九里が海外FA権行使を表明しました。九里はカープのピッチャーの中でも一番熱くさせてくれる男なのでいなくなったら残念ですが、どんな選択になってもより素晴らしい野球人生になるよう応援したいと思います。宣言残留という可能性もあるのかもしれないし・・。
海外FAでは巨人の菅野も行使、今度こそメジャーに行くと思われます。国内FAではソフトバンクの甲斐や阪神の大山、ソフトバンクの石川など7人が行使しました。横浜の佐野や巨人の大城などは残留。大山がカープに来たら強くなるとは思いますが、4年16億とか20億という条件はちょっと高すぎる・・。
甲斐も大山も巨人なんてことになったら・・また巨人のこと嫌いになりそう・・。さて、どうなることでしょうか。